2013年 02月 16日
星に導かれて(1) |
青みがかった漆黒の夜空に、燦然と輝く星々。
その神々しいまでの輝きは、果てしない空間を経て我々に届いているという。
中学に上がった頃の少年には、勉学よりも心休まる神秘を覗ける大切なひと時であった。
細かい知識よりも、その光る点の瞬きに我を忘れたものでした。
冬の夜空の中でも一際目立つオリオン座。
その足元には、明るく輝くシリウス。
盾を持った戦士の足元に蹲る猟犬みたいだ。
小さな星々が集まったように見えるプレヤデス星団。
夏にはオリオンが消えて別の星座が見えてくる。
飼い犬の散歩も兼ねて、公園で夜空を見上げていたものです。
東京の大崎に生まれ育った私は、空を見るのが好きでした。
その頃の東京は、まだ星が見えていたように思い出します。
それでも天文に関することを勉強したわけでもなく、ただ遠い空間に思いを馳せるだけというロマンチストだったのだろう。
天の川をはっきりと見たのは高校生になった頃です。
夏休みに中学の同級だった"ご学友”達と伊豆の小浦に遊びに行っていた時だった。
”ご学友”といっても、ようするに悪友なワケで、バイクを乗り回していたし、マージャンやるはタバコを吸うわ、女の子に興味を持つ時期なのである。
東京から来ていた女子大生をちゃっかりナンパして、海岸の防波堤で"ロマンス”を企むのだが、いくらタバコを吹かしても、幼い顔立ちはバレバレなわけで、うまくあしらわれるのである。
その時に見上げた星空は、それは綺麗なものでした。
東京の空とは雲泥の差で、知らない星々が半球いっぱいに広がり、天の川が薄っすらと帯状に見ることができました。年の差は知識の差であり、女子大生のほうが上であって、反対に教えられて「詰み」なのであった。
それからは星を見ても景色の一部というか、思いを馳せるということもなくなりました。
悪ガキから脱皮しなければならなくなり、高校を卒業して大学進学する余裕が家庭にはありませんでした。高校の悪友たちが大学に「進学」する中、就職を決意しました。大学行って何をしたいのか? という問いに答えることができなかったのです。家は進学費を出せる余裕もなかったので、働くしか選択肢がありませんでした。
それでも高2の後半から猛勉強したので、成績は少し上がったのだろう。
NHKと皇宮警察、防衛庁事務官の3つに絞りました。皇宮警察はあきらめて、残り2つの試験を受けたのですが、願書受付の時は「ウチはキャリア云々」と始まって、それなら高卒若干名とかで募集するなヨー! で、NHKは試験会場を間違えて遅刻…。
今思うと受からなくてよかったほどの偏向的な組織であって、特別職の国家公務員である防衛庁事務官のほうがよかったのである。防衛庁は親方日の丸なのであるが、アンポハンタ~イなどの闘争は落ち着いていたものの、過激派などが鉄パイプロケットを打ち込んできたりと、中々スリリングな職場でした。今もそうだろうと思いますが、身上調査が行われます。思想などは親族まで含めて警察による内密の調査があって初めて採用されるわけです。私の場合は、大崎警察署の署長さんが直接尋ねて来て、目を直視されながら、顔はニコニコ、目は笑っていないというコワ~イ面接を通り抜けての採用でした。
もうその頃には星に対する興味など忘れてしまっていて、仕事や週末はディスコ。車やバイクと空を見ることもなく、下を見ている生活が続きましたねー。
次回に続く
寒い北風が吹く今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか。
オリオンモデルズは今月末まで閉店セール中です。
今後のことは近々発表できると思いますが、色々と問題点をクリアしなければなりません。
何ができるか…、思案中です。
その神々しいまでの輝きは、果てしない空間を経て我々に届いているという。
中学に上がった頃の少年には、勉学よりも心休まる神秘を覗ける大切なひと時であった。
細かい知識よりも、その光る点の瞬きに我を忘れたものでした。
冬の夜空の中でも一際目立つオリオン座。
その足元には、明るく輝くシリウス。
盾を持った戦士の足元に蹲る猟犬みたいだ。
小さな星々が集まったように見えるプレヤデス星団。
夏にはオリオンが消えて別の星座が見えてくる。
飼い犬の散歩も兼ねて、公園で夜空を見上げていたものです。
東京の大崎に生まれ育った私は、空を見るのが好きでした。
その頃の東京は、まだ星が見えていたように思い出します。
それでも天文に関することを勉強したわけでもなく、ただ遠い空間に思いを馳せるだけというロマンチストだったのだろう。
天の川をはっきりと見たのは高校生になった頃です。
夏休みに中学の同級だった"ご学友”達と伊豆の小浦に遊びに行っていた時だった。
”ご学友”といっても、ようするに悪友なワケで、バイクを乗り回していたし、マージャンやるはタバコを吸うわ、女の子に興味を持つ時期なのである。
東京から来ていた女子大生をちゃっかりナンパして、海岸の防波堤で"ロマンス”を企むのだが、いくらタバコを吹かしても、幼い顔立ちはバレバレなわけで、うまくあしらわれるのである。
その時に見上げた星空は、それは綺麗なものでした。
東京の空とは雲泥の差で、知らない星々が半球いっぱいに広がり、天の川が薄っすらと帯状に見ることができました。年の差は知識の差であり、女子大生のほうが上であって、反対に教えられて「詰み」なのであった。
それからは星を見ても景色の一部というか、思いを馳せるということもなくなりました。
悪ガキから脱皮しなければならなくなり、高校を卒業して大学進学する余裕が家庭にはありませんでした。高校の悪友たちが大学に「進学」する中、就職を決意しました。大学行って何をしたいのか? という問いに答えることができなかったのです。家は進学費を出せる余裕もなかったので、働くしか選択肢がありませんでした。
それでも高2の後半から猛勉強したので、成績は少し上がったのだろう。
NHKと皇宮警察、防衛庁事務官の3つに絞りました。皇宮警察はあきらめて、残り2つの試験を受けたのですが、願書受付の時は「ウチはキャリア云々」と始まって、それなら高卒若干名とかで募集するなヨー! で、NHKは試験会場を間違えて遅刻…。
今思うと受からなくてよかったほどの偏向的な組織であって、特別職の国家公務員である防衛庁事務官のほうがよかったのである。防衛庁は親方日の丸なのであるが、アンポハンタ~イなどの闘争は落ち着いていたものの、過激派などが鉄パイプロケットを打ち込んできたりと、中々スリリングな職場でした。今もそうだろうと思いますが、身上調査が行われます。思想などは親族まで含めて警察による内密の調査があって初めて採用されるわけです。私の場合は、大崎警察署の署長さんが直接尋ねて来て、目を直視されながら、顔はニコニコ、目は笑っていないというコワ~イ面接を通り抜けての採用でした。
もうその頃には星に対する興味など忘れてしまっていて、仕事や週末はディスコ。車やバイクと空を見ることもなく、下を見ている生活が続きましたねー。
次回に続く
寒い北風が吹く今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか。
オリオンモデルズは今月末まで閉店セール中です。
今後のことは近々発表できると思いますが、色々と問題点をクリアしなければなりません。
何ができるか…、思案中です。
by shisyo_orion
| 2013-02-16 21:43
| 下町横丁