皆さん、長野県よりこんにちは!
昨日はあいにくの曇り空で、中秋の名月もボヤ~としたものでした。

昨夜午後10時頃。 翌朝に掛けて期待しつつ早めの睡眠となりました。
昨日とは打って変わった秋日和、前日の空輸作戦が発動されました。

朝5時半起床。 ベランダでコーヒーを飲んで目覚ましした後、6時にリエックス駐車場に行きました。
八ヶ岳には中腹より上が雲が掛かっていて、いやな予感。
しらびそ小屋の今井さんは4時半には来てたそうです。
やっぱり心配ですからねー。

朝8時。天気はいいのですが、雲が北から南に流れて晴れてはガスっての繰り返し・・・。

待っている間、会話も尽きてやることなし状態です。
ブラブラするのも2日目ともなれば、ネェ~。

9時過ぎ、今井さんの携帯に、あと30分で行きますとの報に動きがでてきました。

今井さんの奥さんも到着。30分待つのは最後の試練!

皆さんヘルメット被っての待機に、つい座ってしまいますな。
木材は小屋の補修用だそうです。 今井さんは大工さんだったそうですから一人でやっちゃうんでしょうな。

バタバタバタと、八ヶ岳の方からヘリの爆音が聞こえてきました!
どこ? っていう位小さな点が雲を背景に見えてきました。

おおっ! 待ちに待った(ホントに)ヘリが現れましたぁー!

4人乗っているヘリが着陸しました。
なんかすごくシュールな感じですなー。 ヘリの型は、わかりませんです。ヒューイみたいだけど・・・。

!? すかさず目がいったのは、胴体上部の排気煙による汚れ。
もうなんというか職業病みたいなもんです。

東邦航空のイケメンおじさんが隊長さんというか責任者さん。
これから行う事の簡単な打ち合わせ中ですが、ヘリは爆音を轟かせながら駐機中です。

作業開始! エンジン音が高くなり、ヘリがフワッと浮き上がりました。
若いスタッフ(営業さん?)が吊下げフックを引き出しています。

フックを荷物のワイヤーに固定しようとしています。
この時、ヘリはホバリングしながら、若干傾いているのがわかります。パイロットは地上の誘導係のサインが見えるわけです。
コパイロット(?)は機体から身を乗り出して、荷物の吊下げ状態を確認しています。
成るほど。この傾きがミゾなんだなと感心。反対側へ傾けたら、コパイロットの転落の可能性が高まりますし、パイロットが地上が見えない状態になってしまいますからネ。

この距離でもホバリングによる下降風の強いことったらありゃしません!
カメラを構えていても風圧でのけ反ってしまいます。

先程と同じ傾きを維持しつつエンジン回転を上げてパワーユニットの推力を上昇させて、少しづつ上昇しだしました。 まだコパイロットは身を乗り出しています。 この釣り上げた時が一番大事っぽいな。
梱包がうまくいってない時は、荷崩れしてヘリのバランスを失ってしまいますからな。

で、オッケーとなると早いです。 グングン上昇しだしました。

そして旋回しながら八ヶ岳の中腹にあるしらびそ小屋方面へと飛び去っていきました。

ヘリが去った後の静寂。 ここらでは普通の状態に戻りました。
今井さんもようやく一安心? 他の山小屋への空輸状況などを話しています。
打ち合わせと段取りがよかったからか、あっという間の吊下げ・上昇でした。 こんなに簡単に行ってしまうとは、ちょっと驚きでした。

そこへヘリから無線が!
梱包した口が開いてしまうので、口を縛るよう指示がきました。
荷卸しした際に、口が開いてモッコから薪が崩れ落ちたかもしれません。
小屋の受け入れは今井さんのご両親が担当との事。ちょっと心配してしまいましたゾ。

「お疲れさ~ん♪」 奥様が素敵な笑顔と共に飲み物を下さいました。

そうこうしている内に、もうヘリが帰ってきました!
往復で約10分弱!

やっぱ空飛ぶのは違いますなー。

最後の空輸が終わり、営業さんから請求書が・・・。
心配そうに覗きこむ今井さん。 気持ちはわかりますな。

奥様は、「私知らないわよ」な風情かと。


最後の空輸を終えての着陸態勢。 チョイ、チョイと水平を指示しています。

オーケー! タッチダウン。

「それではありがとうございました~」と帰っていく東邦航空さん御一行。

ヘリの爆音が静まった地上では、安どの笑みがこぼれ落ちました。
いやぁ~、待ちが長かったですねー。
空輸は10分間隔でしたから、体感的にはあっという間に終わりました。

左は段取り助っ人、地元の小池さん。
松原湖の別荘の開発公社の専務理事もやっておられたエライさんでした。お疲れ様でした~。

今井さんは、荷揚げした薪の整理もしなくてはならないでしょうが、残った薪はどーするの?
「もうヘリでは運びません(キリッ!) 薪で破産しちゃいますよー

」とのこと。
今回の空輸は今年になって初めて行ったということです。
1tにつき10万以上!!!

何でも営林署からの指導だか法律が変わったのかは某は定かではありませんが、以前は倒木などを薪にしていたのが、今年からは「手をつけちゃイカン」という事になったそうです。
えっ? な感じになってきました。
「ストーブでお金を燃やすのと一緒ですよ~」という今井さん。
将にその通り・・・。
八ヶ岳は「小屋ガ岳」と呼ばれる位、山小屋が存在しています。
昔は人間が背中にしょって運んでいた「歩荷」というのがありましたが、今の時代は機械で一気に荷揚げをしています。つまり、その分のコスト増は山小屋負担となってしまうんですな。
ただでさえ標高の高く気温の低い山で、訪れる山男・山女諸氏を暖かく迎えている山小屋の存在は一つの文化ではないだろうか? そこへお上が負担増を強いる・・・。
自然のままにする為との大義はよいが、その分のコストアップの行き場は我関せずのお役所仕事。
山小屋にも組合はあるだろうから、相談しているとは思います。
多分「暖房費」ということで、受益者である登山愛好家の方々にお願いするしかないでしょう。
それはそれで仕方のないことではありますが、 その他にやることはないだろうか?
某が思いついたのは、受益者である愛好家の方々が、登山の都度、ふもとの登山道入り口に積んである薪1本を運ぶということです。 思い荷物を背中に背負って登るので、そんな余裕がないと言われればそれまでですが、専門誌・山小屋組合含めて一大キャンペーンを張って、愛好家の心意気を示してみてはどうだろうか。
そうでもしないと、増々愛好家の減少、ひいては山小屋の閉鎖という、どこかで聞いたことがある話になっていくように感じます。

しらびそ小屋は、天狗の中腹ですが、頂上にある山小屋はもっと気温が低いでしょう。
その山小屋に一歩足を踏み入れた時、薪ストーブの暖かさに人心地を感じたことは体験した者以外ではわかりづらいですね。その薪が、1本〇円だか〇百円になってしまったのが今回の空輸だったわけです。
いやぁー、ヘリカッコよかったしー、ウェザリングしてみたくなりましたが、色々と考えさせられた一日でした。

長野県松原湖高原よりお届けしました~♪